快適でより長く使っていただくために、技術と手間を注ぎこみます。
当店の畳は時間がたつほど品質の良さがわかります。
からくり止め
からくり止め 作業動画
イグサの抜けを防ぐため、最も丁寧で丈夫に仕上げます。
近年、一般的な畳店では、ゴザの端を切りっぱなしで止めないことが多いため、経年によりイグサが抜けてきます。(※写真1)
イグサの抜けを防ぐためには通常、端を糸で止めたり、ボンドのようなもので止めます。
しかし、当店では「からくり」という作業を行うため、ボンドで止めるよりも丁寧で、角(ヘリのついてない部分)が割れたりしません。
ワラ床の処理
経年による劣化を見越して、見えないワラ床の処理にも、手間を惜しみません。
伝統的なワラ床(ワラ100%)を使う場合、材料のワラ床を寸法で仕上げるために丈(長さ)を切断しますが、一般的には、そのまま切って仕上げてしまう為、数年経つと切り口が膨れてきて、症状として表面のゴザが擦れて穴が開いてきます。
(※ワラ床は約40センチのワラを45ミリまで圧縮するのですから、一般的なワラ床は経年で膨れてきます。)
(※写真4:ワラ床の膨れによって、擦れて綻んだ畳の角(框))
その為当店では、材料のワラ床を切断する前に、将来的に膨れないように、切る場所を予め縫って締め付けます。縫ったところがさらに締りますから、将来的にも膨れることはありません。
手間がかかるため、現在では、ほとんど行われなくなった手法ですが、当店では、このように先を見越して見えないところですが手間をかけます。
同等の材料を使ったワラ床でも、仕上がり、耐久性に大きな差が出ます。
ワラ床は普段目に見えませんが、その品質の違いはハッキリとわかります。
手間を惜しまずに丁寧に作るワラ床を、同等品の材料を使ったワラ床と比較してみました。
右の写真の、上段が当店製の畳です。敷き込み後、約3年経った状態です。
畳同士が、一直線に隙間なく合わさっています。
また、畳の端が膨れることも無く、同じ高さで、全く段差がありません。
一方、下段は同じ建物内にある、当店製ではない畳です。ワラ床は同等の材料を使っています。(畳表は同等ではありません。)
畳同士が合わさる箇所が、一直線ではなく波うって、隙間にムラがあります。
また、畳の端が膨れ上がって、上下にも凹凸ができ段差となっています。
材料が同じでも、経験、技術、加工の方法、そしてなによりも丁寧な仕事が、品質の差となって表れます。